ロゴ日和田山
 
自然観察大学
(2005年5月15日:埼玉県見沼田んぼ)

全国農村教育協会が主催する自然観察大学に参加しました。

自然観察大学とは 植物、野鳥、昆虫、クモ、アブラムシなど各専門分野の先生方によるユニークな内容で、講師の先生方と参加者の皆さんが一緒に楽しみながら自然観察を勉強しようという活動だそうです。

カラムシについたアカタテハの幼虫
9:30分に東浦和駅に前に集合して、各自名札を胸につけ、学長の岩瀬徹先生の説明を受けて出発です。

はじめは雨が降り、心配しましたが時折日も差したりして、なんとか傘を差さずに観察できました。

田仲義弘先生からアカタテハの幼虫がカラムシの葉を丸めて中でその葉を食べているとの説明がありました。

アカタテハの幼虫が食草のカラムシの葉を丸めて中にいます。
アブラムシの説明
観察のポイントが11くらいあり、参加者が多いためポイントが近い箇所では2組に分かれて先生方の説明を聞きました。
ソラマメヒゲナガアブラムシ
マメアブラムシ
カラスノエンドウの群生しているところでは、アブラムシの説明がありました。アブラムシの天敵はテントウムシがよく知られていますが、ナナホシテントウが草に付くアブラムシを、ナミテントウは木に付くアブラムシを主に食べるそうです。テントウムシよりヒラタアブの幼虫の方がもっと強力にアブラムシを食べるそうです。
ソラマメヒゲナガアブラムシ
マメアブラムシ
クロハネシロヒゲナガ
草地には原始的な蛾のヒゲナガガいました。ヒゲナガガの仲間は食草がほとんどわかっていないそうですが、唯一このクロハネシロヒゲナガがわかっており、ネズミムギなどイネ科だそうです。この写真は雄で触角が長いのですが雌の触角は短い。
ミズキの説明
クロハネシロヒゲナガがいる草地の隣では岩瀬徹学長からミズキの説明を受けました。ミズキの葉は必ず新しい枝につけるとのことで、確かに枝の先端に葉が付いていました。
唐沢孝一先生
唐沢孝一先生から見通しの良いところで営巣する鳥について説明がありました。奥のヨシ原ではオオヨシキリの雄が数羽元気よくギョギョシ、ギョギョシと囀り、ヒバリが空中高く囀り、スーッと畑に舞い降りました。

普通雄は目立つようにきれいな色をしているのですが、これらの鳥はとても地味で見通しの良いところでも外敵に見つからないようにしていて、声と縄張りの条件で雌にアピールをしているそうです。

田仲義弘先生アシナガバチの説明
田仲先生から線路沿いの石垣の間にアシナガバチの巣があるとの説明があり、横向きの巣はフタモンアシナガバチで25個、下向きの巣はコアシナガバチで3個とのことでした。まだ巣は作り始めで、女王バチ1匹で作ったもので、アリなどの外敵にやられてしまうことが多いそうです。ここにある28個の巣も秋まで持つのは2~3個だろうとのことです。
オジロアシナガゾウムシ 線路脇にはスイカズラが花を咲かせ、クズが伸び始めています。そのクズの茎に捉まっているのはオジロアシナガゾウムシで、この模様は鳥の糞に似せているのだろうとのことです。手で触れると、足を縮めてポロリと下に落ち、仮死状態になってしばらく動かなくなります。
フタモンアシナガバチと巣
フタモンアシナガバチ 巣の奥に卵が見えます。
斜面林に出てきて、岩瀬学長から常緑樹の葉について説明がありました。常緑樹と言っても落葉し、葉の寿命は2~3年程度とシロダモの新芽が出ている枝を例にして昨年の葉、一昨年の葉と残っている枝と葉を示し、わかりやすく説明頂きました。

さて、最後のポイント、ニホンミツバチの巣です。大きなクヌギの根元に穴が開きニホンミツバチが出入りしていました。みんなが覗いたり写真を撮ったりして通路を塞いだので、沢山のミツバチが巣に戻れなくみんなの頭の上を飛び回っていました。

ギンメッキゴミグモ
浅間茂先生からクモの大半が巣では下向きで待ちかまえているが、2種だけ上向きのクモがいるとの説明があり、その内の1種がこのギンメッキゴミグモだそうです。
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